1.良い品質とは
会社(組織)が提供する「製品やサービス」を生み出すための、または実際に提供する場合の過程(プロセス)がきちんと管理されている状態をいいます。
ちなみに製品そのものの程度の善し悪しは、「等級」という言葉で表します。
たとえば、・・・
タクシー会社が提供する製品は、
「乗客を、乗車地点から希望する降車地点まで、安全に輸送すること(サービス)」です。 
その過程には、例として次のようなプロセスがあります。
1) 運転手の健康状態を確認し、乗務車輌の始業前点検を行う。
2) お客様が乗車したら、行き先を確認する。
3) 最も適当な走行経路を決定する。
4) 法規制を遵守して、安全に走行する。
5) お客様の希望地点であることを確認したら、料金を受け取る。
その他にも、会社が行う支援業務の例として、次のようなことが考えられます。
1) 車輌の整備点検
2) 料金メーターの精度の確認
3) 運転手の運転免許証有効期間の管理
4) 燃料補給所の設置、維持管理
これら「製品」を提供するために必要なプロセスの手順・方法が組織によって管理されていることを、「品質が管理されている状態」、その管理状態のレベルが高いことを「良い品質」というのです。
反面、B社の運転手に比べて、「運転マナーが悪い・荒っぽい」というのは、両社が同じレベルの品質管理状態であったとしても、「等級(グレード)が劣る」ということになります。
2.品質マネジメントシステムの国際規格[ISO9001]
前項の品質管理を、「経営レベルから現場まで一貫して推進管理していこう」というのが、ISO(国際標準化機構)9001規格です。日本ではJIS_Q_9001規格として頒布されています。
この規格の適用を受けるマネジメントシステムが満たさなければならない事項(要求事項)には、次のものがあります。
4 品質マネジメントシステム
 4.1 一般要求事項
 4.2 文書化に関する要求事項
5 経営者の責任
 5.1 経営者のコミットメント
 5.2 顧客重視
 5.3 品質方針
 5.4 計画
 5.5 責任、権限及びコミュニケーション
 5.6 マネジメントレビュー
6 資源の運用管理
 6.1 資源の提供
 6.2 人的資源
 6.3 インフラストラクチャー
 6.4 作業環境
7 製品実現
 7.1 製品実現の計画
 7.2 顧客関連のプロセス
 7.3 設計・開発
 7.4 購買
 7.5 製造及びサービス提供
 7.6 監視機器及び測定機器の管理
8 測定、分析及び改善
 8.1 一般
 8.2 監視及び測定
 8.3 不適合製品の管理
 8.4 データの分析
 8.5 改善
3.審査登録制度
ISO9001規格は、会社のマネジメントシステムへの規格の適用を義務づけてはいません。
また自社のマネジメントシステムに対してこの規格を適用する場合にも、審査登録(認証)を受ける必要は必ずしもないのです。
しかし審査登録を受けることにより、一定の条件下で審査登録機関やその登録機関を認定した機関のロゴマークを使用することができるようになり、顧客からの信頼は今まで以上厚くなります。
審査登録を維持するためには、初回審査から3年経過後に更新審査を受けなければいけません。また6ヶ月〜1年ごとに履行審査を受ける必要もあります。
審査登録を受けることを決定する際には、これらに必要な金銭的・その他の負担も考慮した上で、会社運営上のメリットと対比させてお考え下さい。
4.資料
1) ISO9001認証取得により得られる効果
2) ISO9001の基礎知識
3) 1994年版から2000年版へ「ここが変わった」
4) 地域別・業種別認証取得状況
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